現代的ダンスバイブル

ダンスは移ろいゆくもの、そんなダンスの古く新しいバイブル

知らないと苦しむ、ダンスバトルのこと

2020年、現在

ぼくはストリートダンスを2003年頃に始めた

その頃、ダンスバトルは流行り始めてるぐらいだった

今ほど流行ってなかったし

今とは少し空気感が違った。

上手い人が少なく

独自の踊りをしてる人が多かった。

今は逆になった。

それが良い悪いではなく

そう言う時代の流れなんだろうと受け止めてる。



ダンスバトルがめちゃめちゃ流行ってる中

それに適応できる人もいれば
適応できない人もおるはず

現代のダンスバトルに向いてない事を
ダンス向いてないって勘違いしてもらいたくない
心底そう思うから
この文章を書いてる。

バトルで悩んでいる人
ダンスで悩んでいる人は
読んでもらいたい。



さて、ダンスバトルとはなんなのか?

自分のダンスを魅せる場所なのか?
相手を倒す場所なのか?

ぼくも意見はこうだ

"ジャッジの好みに合わせて踊り、ジャッジを喜ばせる時間"



わかりづらい?

例えを交えて
少しづつ
解説してみよう♪



バトルにおいてはジャッジの判定が全て

ジャッジに選ばれ続ければ、優勝できる

ジャッジに気に入られないといけない

ってことはバトルとはジャッジを喜ばせる事が目的。

バトルに出るからには優勝したいやん?

もちろんバトルに出る事、バトルで自分の思うダンスをするのが目標の人もおるけど
それについては後で触れよう。

さて、優勝するのが目的なら、ジャッジを喜ばせる事が目的になる。



例えば、、、

ここに、、

お腹を空かした人が3人いて、、

人々がその3人に自慢の一品を次々に持ってきている
「この料理どうですか?」

食の好みは人それぞれ

薄味好き、濃い味好き

肉好き、魚好き

辛いの苦手、甘いの苦手

色々ある


1人が3人の腹ペコ達の前にパクチーラム肉を持って来た

3人の内1人が飛びついた

彼女はパクチーもラムも大好きでだった。
最高♪

1人はパクチーが嫌いやった。

1人はラムが嫌いやった。


"みんなが正しいと信じてる” 多数決の結果
パクチーラム肉は2次予選に通らなかった。

その場ではパクチーラム肉は美味しくないって事になった。


パクチーラム子はジャッジに聞きに行った
「私の何がよくなかったんですか?」
「疲れた時にジャンキーな気分になって、カップラーメンの残り汁にご飯入れて食べるのがいけないんですか?」

3人は言った「うん、そこじゃないね。」

1人は言った「最高だった」
1人は言った「パクチーが良くない。それを抜くと良い」
1人は言った「ラム肉が良くない。それを抜くと良い」

さて

パクチーラム子は困った

一体どうしたら良いんや…。

パクチーラム子は
パクチーもラムも使わない
料理を創り出して
もう一度3人の前に持っていった

1人は言った「前の方が良かった」
1人は言った「パクチーがなくなって良くなったね。でも、もう少し何かスパイスが欲しいかな」
1人は言った「ラム肉がなくなって良くなったね。でも、もう少し肉汁を感じたい」

パクチーラム子は
また新しい料理を創り出した。

パクチーラム子はいなくなった
パクチーラム子はただの ”疲れた時にジャンキーな気分になって、カップラーメンの残り汁にご飯入れて食べる子” になった。


パクチーラム肉は
パクチーがダメだったのか?
ラム肉がダメだったのか?


そんなことはない

ジャッジの好みに合わなかっただけ。


ダンスに帰ってこよう

あなたがバトルで勝てなくても

あなたのダンスが悪かった訳ではない
ジャッジの好みに合わなかっただけだ


ぼくも昔は自分のダンスを
自慢の一品を持って行って披露していた

いつもジャッジに料理を捨てられて
「もっと濃い味付けにしろよ」
ハウス食品っぽい料理作れよ」
バーモントカレー食って研究しろ」
と言われ続け
悲しい気持ちになっていた


ある日

ジャッジの好みを少し汲んで料理してみた

そしたら優勝出来た。

たくさんおめでとうをもらった

でもその料理は自慢の一品ではなく

市販のカレールーを使っていた。

ジャッジは食べたことある味が好きだった。

それでぼくは悟った

バトルはジャッジの好みを理解して踊ることだと。


自分だけの料理を作っている人は
1人で研究してる人が多いと思う

家で自炊して、自分好みの料理を作っていても
人前だと、上手く作れなかったり
受け入れられなかったりする。

でも、気にするな!

自分の好きな料理を作るのと
好きな人の好きな料理を聞いて作ってあげるのは違う


別の楽しさがある!

自炊は続けながら
人に作ってあげる料理も楽しめ!


あなたの身体
あなたの感性は
70億人いて1つだけ

今まであなたの様な人はいなかったし
これからもあなたの様な人は出てこない

自然はリピートを望んでいない

夕陽は
同じようで
1日たりとも
同じ夕陽はない

大人にダマされるな

ダンスをわかることはない

それは自然物の肉体から溢れ出るもの

それは天気のようなもの

天気を研究することはできる

分析することもできる

でも天気の全てをわかることは出来ない

そしてもしわかったとして

自分が死ぬまでの天気が全てわかったとして

それは楽しいのだろうか

わからない、不安定

と言う事を楽しめないのだろうか?

雨の日は傘をさした方が良い

雨を彈き濡れない服も作れる

でも雨に濡れる楽しみはどこに行った?

無知で無垢だった子供の頃の

水たまりで遊ぶ喜びはどこに行った?

研究すること

追求することが

悪いと言ってるんじゃない

良い悪いの二分法の話ではない

ただ

最初の頃のシンプルな

踊る喜び

カラダが動く喜びは

どこにいってしまったのだろうか

その喜びは

他の誰かには教えてもらえない

偉い先生にも教えてもらえない

自分だけが自分の楽しさを知っている

70億分の1

たった一つのかけがえない

感性、感覚を大切に

育ててもらいたい。


ぼくも大人たちに

種を傷つけられ

苗を植え替えられ

こねくり回された一人なのだから。

忘れていた

純粋な心身を

丁寧に観察して

育てている最中

社会のリズムじゃなく

自分の心身のリズムで生きよう

自己紹介 / Profile

村上渉 (むらかみ わたる) / Nas
1987/01/02
大阪出身大阪在住

CATミュージックカレッジ ストリートダンス専攻卒業

○ストリートダンス
Hook up House (battle) /  Winner, 2nd prize
TALKIN' HOUSE (battle) / Winner
Hook up Instrumental beat (battle) / Best 16
THE GAME HOUSE (battle)  / Best16
Dance@live Kansai HIPHOP (battle) / Best8
グダグダナイト (battle) / 優勝
TURE SKOOL (Show Competition) / 2nd prize
D'OAM Crew project 「5JIVE」出演
House Dance Crossing 「Pumpking+PECO+Nas」出演、振付
など
 
○舞台 / コンテンポラリーダンス
米津玄師 2020 TOUR / HYPEアーダンサー
鳥取県文化財団プロデュース、島地保武:演出、振付「夢の破片」出演Festival /Tokyo 「うたの木」出演、振付
カンボジアアイドルグループ “Polarix“ 「Hapiness」PV 振付、演出
トリコAプロデュース「幸福な王子」演劇作品、出演、振付
Michael Maurissens 「Selfhood」出演
東京芸術劇場主催「近藤良平のモダンタイムス」出演即興公演 辻本知彦:演出「身音観測」出演
minowa 「Numenon」「at school」演出、振付、出演MuDA 「男祭り」「DORO」出演
Monocrome Circus Ensemble「レミング」出演など

○その他
14’ / 日本にて元Batsheva Dance CompanyのBinyaminiによるインテンシブWSに参加15’ / Contact Improvisation Festival i-Dance Japan 参加16’ / 再び日本にて元Batsheva Dance CompanyのBinyaminiによるインテンシブWSに参加

16' / 4ヶ月カンボジアに滞在し、現地のアイドルグループ“Polarix“ へのダンス指導、MVの振付、演出
 
17' / Artists Residence Program " Artists' Playground in Korea" 参加
2週間に渡り韓国、イギリス、インド、韓国から集まった様々な種類のアーティストで創作活動、発表を行う。

 17’ / Contact Improvisation Festival i-Dance Japan 参加

19' / 大阪太極拳大会 準優勝

19' / イスラエルにてGaga Intensive Course に参加

19' / Contact Improvisation Festival i-Dance Japan サポーティングアーティストとして参加

20' / 米津玄師 2020 TOUR / HYPEアーダンサー

大阪を拠点に様々なダンスWSを開催している
現在定期的には
A-Sh Dance Studioにて毎週月曜日17:30-18:30(Contemporary House Dance Class)開催中
不定期的に
Contact Improvisation Class, 自由に踊ろうクラス(Contemporary Dance), 瞑想的に踊ろうクラス(Dance and Meditation)など
開催中

情報はHPかInstagramで発信中
https://latodovabien.wixsite.com/watarumurakami
https://www.instagram.com/wtrmrkm_schedule


現在も日々変わりゆく、時代と身体と共に
変わり続けながら踊っている。

ダンスって何?

年々ダンスが流行っている昨今

いかがお過ごしでしょうか?

現在(2020年1月)はコロナウイルスも流行ってるけど

コロナはそのうち
そんなんあったなーで済まされるけど

ダンスはそんなんあったなーとはならない

ダンスは人から感染するんじゃなく
内側から湧いてくるから

踊り方とか手法とかは流行で
流れてくけど

"ダンス"は流れない

食事、睡眠、呼吸、ダンス

同じ身体的な現象

食事の場合
何を食べるのかは選べるけど
どう消化して、身体のどこにどの栄養を運ぶかは
全部身体がやってくれてる
その過程を認識出来ない
消化はコントロール不可

睡眠の場合
寝る前の行動、寝る場所とかで質を高めようとは出来るけど
寝てる時に「あ、眠り浅いな」とか「良い眠り出来てるなー」って認識出来へん
寝る前に瞑想すると質は高まるけど
睡眠中にコントロールは不可

呼吸の場合
基本的に自動的に身体がしてくれる。
「あ、呼吸するの忘れてた」ってたまにはあるけど
「どれだけボケた老人でも呼吸するのを忘れて死亡」って聞いたことはない。
でも例えば、ヨガでは呼吸をコントロールして心身を整えたり出来る
これは意識すれば現在進行形でコントロール出来る

ダンス
基本的に自分でやるものって認識されてる。
え?自分でやる以外に何があんの?
消化、睡眠、呼吸と同じで
自然と身体から起こるダンスがあるんですよ
そういうダンスは見かけ上、テレビで見るようなダンスじゃないから
気持ち悪いとか、下手、踊れてないって言われたりするけど
本来はそういう沸き起こってくる動きが"ダンス"なんです
もちろん
みんなとの共通言語としての共通認識のダンスも楽しいけど
その"ダンス"と"沸き起こるダンス"は別なんです

食べ物でいうと
インスタ映えする食べ物を食べること
かっこいい踊りをすることは
コントロール出来る

身体の中、どう分解して、どう血肉になるか
身体の中から湧いてくる踊りは
コントロール出来ない

良く考えて!
牛豚鳥魚、野菜、果物、保存料、着色料
全部分解、分別して、身体の必要な所に運ぶ
ウィルスが入ったらやっつける
五感、記憶、学習能力、直感
女性は自分の身体の中で、もう一つ別の命を産むことが出来る!!
このスーパーハイスペック!!!
iPhone何になったら辿りつけるねん!!!
iPhone100?

こんなハイスペックな身体に"ダンス"の機能が付いてないなんてことあるやろか?
アプリインストールせなあかんの?
有料アプリ?
んなアホな

何年前から人類踊ってるねん

鳥をはじめ、何種類の動物が踊ってるねん

身体はそれ自身で踊れる

あなたの1300グラム程の小さな脳で
ダンスを学習するしないに関わらず!

身体は踊る準備が出来てる

やから酔っ払うと人は
いつもより踊るんですよ

邪魔な脳の判断が鈍くなるから

身体の衝動を脳の判断で止めたことあるでしょ?



世界中のシャーマンとか儀式とかで
ダンスがあるのは
身体が自分の意思とは関係なく
身体の声
その他のエナジーの流れと
共振して
身体が踊り出すから
それを自我を超えた
神様との融合として
ダンスをしてるんですよ
神聖舞踏

僕も昔は
パフォーマンスとしての、みんなとの共通言語としてのダンスと
原始的な、自分もまだ知らない、独自言語としてのダンスの
違いがわからなくて
悩んでました。

自分の大好きなダンスを人前でなかなか出せない
出したとして、否定されたらどうしよ

でも今は違いがわかり
楽になりました

自分の身体とのダンスは
恋人とのえっちみたいなもんなんですよ

いくら気持ちいいからって
人に見せなくて良いやん?
その2人で最高に幸せなら
それで幸せやん

ダンスとは
身体と空間
内側と外側が話しかけてくる事を
聞く事、見る事

ほんまに踊ってる時は
自分の身体が踊ってる事を
自分の中から見れるよ
自分が踊ってるわけじゃないから



今日も踊ろう

雲が形を変えてくから
今日も踊ろう
お腹が動くから